効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ソフトバンクとメガソーラー

ソフトバンクが全国でメガソーラーの設置を進めていることが頻繁に報じられているが、昨日の日経夕刊に出た計画には少なからず驚いた。北海道苫小牧市に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設を計画しているということで、発電出力は20万キロワット級と国内最大クラス。国の買取価格もまだはっきりしていない中で、これほど次々と計画を発表するのはよほど事業性に確信を持っているからだろう。建設するのは苫小牧市東部にある企業集積地の苫東地区。北海道電力管内では、風力発電の設置には系統が受け入れられる容量が小さいために、なかなか設置規模が増えていないが、20万キロワットでも昼間しか発電しないことから系統上の制約は小さいだろう。問題はこの太陽光発電設備を既存の送電網と結ぶのが簡単ではないということではないか。企業集積地だから大きな送電幹線があるだろうが、20万キロワットを接続するにはかなり系統に手を加えないとすぐには無理だろう。そのコストを誰が負担するのか。一部ソフトバンクが系統増設費用を負担するという報道もされているが、長い目で見た場合これも良いことかも知れない。系統増設に必要な真のコストがメガソーラー事業者に分かるからだ。これまでであると、電力会社が設置し、そのコストだけをソーラー事業者が負担する形になるのが一般だといわれているからだ。その場合、競争が生まれないために、電力会社の言いなり仕様になってしまうし、どの程度競争入札が行われるかはっきりしないからだ。このメガソーラーは5月に泊原発が止まってしまう北電にとっては有り難いものだと思う。北電の奈井江火力発電所1号機がボイラーの蒸気漏れで昨日停止したというニュースもある。本州からの供給支援が得にくいだけに、このような既存発電設備の故障による停止も考慮すると、今回のメガソーラーの出力は稼動を始めると貴重なものになるのではないか。