効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光で色が着く材料

奈良先端科学技術大学院大学で、太陽光が当たると着色、ごく少量でも電気を流すと透明になるエレクトロクロミック分子が開発された。電流効率は通常の20倍で、スマートウインドウへの応用が想定されている。着色、消色とも電流で行うものは実用化されていて、ジェット旅客機「ボーイング787」の窓などに使用されている。この旅客機の窓については、拙訳「新しい火の創造」(エイモリー・ロビンス著)にも紹介され、そこではさらに、窓ガラスの表面温度によって、可視光線は普通に透過させながら赤外線の透過量を変えるものもそろそろ実用化されるとしている。赤外線の透過量だけ変わるとすると、明るさを犠牲にせずに熱の出入りを制御できることになり、建物の空調負荷が大きく下がることになる。今回発表された先端大の技術の場合には、太陽光が当たるとその紫外線で着色するが、僅かの電流を流すとその色を消すことができるため、調光に利用されるだろう。断熱も含めていろいろな応用がこれから考えられると期待したい。