効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

頭が痛い北海道電力

暴風雪が北海道を次々に襲い、その度に地域での停電が起きている。11月27日のケースでは、登別や室蘭市などで最大56,000世帯に及ぶ大規模な停電、12月7日には猿払村や稚内市で最大約8,300戸が停電。北海道電力の対応は、気候条件が悪い中でよくやったと思う。だが、前にも書いたように,厳寒時期での停電は人命に関わるのだから、北海道、本州の日本海側では十分以上の送電線確保が要請される。雪が送電線に積もって凍ると、重さが急速に増加し、これに吹き付ける風の圧力も急上昇する。だから、この変化が送電用鉄塔に設計されていた安全強度を超えることもある。強風だけでも送電線が揺れて接触する。米国の大停電にもこれが最初の引き金になったものもある。一本の送電線が停まっても、それを補える別系統があれば避けられるというのは理屈だが、理屈通りに物事は動かない。送電系統の制御がうまくいかないこともあるからだ。再発防止を要請されている北海道電力には、時間と資金がかかるだけに難題となるだろう。
遠い将来になるかもしれないが、地域自体でミニマムの発電規模を確保できるようにすることも一つの解決策となる。マイクログリッドの考え方だ。その技術はいま世界的に開発され実用化に向けた動きとなっている。蓄電池のコストが下がったことが大きな促進要因になっていると思う。日本でも、地域でエネルギーを作り、これまでの大規模電力供給体制からの脱却を目指すところも出ているように見える。脱原発に向けた一つの解決法とも言えるかもしれない。地域の最小単位は住宅やビルだと考える。