効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

フルキャパシティーのコージェネ

(株)ダイセルが、姫路製造所網干工場(兵庫県姫路市)で導入を進めていた都市ガス・コジェネレーション設備の実証運転を伴った商業運転を開始したとプレス発表した。それによると、昨年7月に着工された当設備は、本年7月26日の火入式から試運転を行い、予定通り全ての試運転を終了した9月10日から商業運転に入り、10月25日には電気事業法に基づく安全管理審査を完了している。設置から稼動までの時間も短いのは魅力だろう。当設備の稼動により、網干工場の自家発電の合計出力は約80MWとなる。これにより必要電力をほぼ100%自家発電で賄うことが可能となるということだ。発表では電力会社からの電力使用がほとんどなくなるためにコストメリットがでるということだが、電力会社の系統から切り離されていないので、おそらくかなり高いバックアップ料金を徴収されているだろう。だが、これからの電気料金の上昇を考えると、都市ガス料金は当面安定しているだろうからメリットはあるはず。そして、この網干工場の熱需要に見合った設備になっているだろうから、総合エネルギー効率は80%程度となって、地球温暖化防止にも貢献することになる。3/11以降の電力供給逼迫問題がなければ、おそらくこのプロジェクトは成立しなかっただろうと思う。
このコジェネレーション設備は、川崎重工が開発した同クラスで世界最高効率を有する最新鋭機の初号機で、発電出力30MW、蒸気発生量45t/hの発電用ガスタービンを原動機として使用しており、9月1日(外気温31℃)に実施した性能試験において、発電効率約36%、コージェネ総合熱効率約86%を達成しているとのこと。熱需要の大きいところでは同じようなコージェネの設置がこれから続くのではないかと予想している。