効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ガスのコージェネレーション

東京ガスコージェネレーション(熱電併給)の新設依頼が増えていると報じられている。そうなるのは確実だと思ってはいたが、これほど早いとは思わなかった。ところがここに難題になるかもしれないことがある。この発注をしている企業は、停電したときにも自立運転ができる仕様を希望している。現実には、既設のコージェネ設備では、ほぼ80%は電力会社からの電力供給が止まる(つまり停電する)と、一緒に停止してしまう仕様になっている。それは、自立で運転できるようにするには、その制御と、セルフスタートするために蓄電池を備えていなければならず、追加コストが大きくなるために、停電はないものと想定してこれまでは投資をしていなかったのだ。ところが、少なくとも東京電力管内では、ここ数年は停電が避けられないことがほぼ確実だから、停電しても工場やビルが最低の機能を維持できるだけの発電をさせたいと考えるようになっているのだ。これからもこのような発注が増えるだろう。この急増する需要に対して、エンジンメーカーが対応できるかどうかがもう一つの課題だ。ある程度は在庫があるだろうが、新規に製造することになると、その部品の調達がすぐにできるかどうかは分からない。
もう一つ、早期に解消すべきことがある。これまでこのような需要端に設置されるコージェネは、設置場所の消費電力より多く発電して系統(配電線)に余剰電力を流すことができないようになっている。いま東京電力としては、どんなに少量でも電気は喉から手が出るほどほしい。だから、例えば、売買電力料金を同じにして、メーターが逆転しても良いようにしてやる方式で系統に流せるように、規制なり、電力会社の設置基準を改めてやればよい。勿論、系統との接続部分の制御方式を変えなくてはならないからコストはかかる。これを需要家側が払っても、2〜3年で回収できるような方式が採用されれば、高効率なコージェネレーション設備は増えるだろう。この方式は長い目で見ると日本全体で実施させるべきだと思う。現時点では余裕がある60ヘルツ地域の関西電力中部電力は拒否するかも知れない。ここは日本としてどうあるべきかを考える政府のエネルギー政策の問題となる。欧米のコージェネは系統に流すのが当たり前になっている。化石燃料を使うとしても、総エネルギー効率を80%前後と高くすることが可能だからだ。