効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新しい火の創造

これまで1年掛けて翻訳してきたエイモリー・ロビンスの新著が「新しい火の創造」という邦題でダイヤモンド社から発刊された。今日くらいから書店の店頭に出始めるだろう。アマゾンでも販売が始まっている。定価が3千円を切るようにするのに何とか成功。
米国の化石燃料の消費を2050年までにほぼゼロにできるということをデータと実例で論証している。いま日本が直面している電力供給危機問題を解決するヒントが一杯。もっとも重要なのはエネルギー消費効率の大幅な向上と大量の再生可能エネルギーを系統に接続することだ。効率向上策として大小のコージェネレーション(熱電併給)を重視しているのも興味あるところ。
いま日本で家庭用にまで蓄電池が普及し始めていて、そのリース事業まで始まっている。これと燃料電池やエンジン発電機を組み合わせると、住宅やビル単位で系統電力への依存度が大きく下がるようになるだろう。意外に早くこの方式は進展するかもしれない。太陽光発電との組み合わせも、設備コストが受容できる程度になる時期は近いかもしれない。「新しい火の創造」の究極のシステムが日本でも普及する可能性はある。新しい火とは、炎を出さない火(バイオマス燃料は例外)のことだ。