効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

航空機向け燃料電池

IHIとIHIエアロスペースは、米ボーイングと共同で、燃料電池システムを搭載した航空機の飛行実験に成功したと発表している。小型機ボーイング「737」に燃料電池を搭載し、米シアトル上空を約5時間飛行。燃料電池による電力供給や、航行時の航空機エンジンからの充電などを試験した。航空機内の補助電源として実機採用を目指すとしている。多分固体高分子型の燃料電池だろうが発表には明示されていない。
このIHI製の燃料電池が供給する電気は、通常はエンジンに接続されている発電機からの電気とは別になる。水素と空気中の酸素を使って発電するため排出されるのは水だけ。この水を燃料電池で再度水素と酸素に分解して水素を再び燃料に使う。飛行機のエンジンで作動する発電機に余裕ができるときには、この余裕分で燃料電池を水素製造器に変え、水素燃料として保存するようだ。再生型燃料電池の航空機適用技術は、経済産業省が公募した「航空機用先進システム基盤技術開発(航空機システム革新技術開発)」で採択されたプログラムを活用したものだそうだ。
この原理は電車に燃料電池が使われたときにも同様に利用できる。また自然エネルギーによる発電電力の変動をこれで補う(発電したり水素として蓄電したり)こともできるはず。再生型燃料電池には今後期待される役割は多い。だが、実用化にはまだ時間がかかりそうだ。