効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電システムのコストダウン

半導体加工技術のフィルテックが大気中でガラス基板に結晶性の高いシリコン薄膜を作る装置を開発したと報じられている。これまで真空中でないとこれは難しいとされていたのだが、いわば発想の転換によって、窒素ガスのエアカーテンを活用し装置内部に酸素が入り込むのを防ぎ、基板にシリコンを含む原料ガスを吹き付けるシステムを実現できたのだ。その結果、この装置の価格が1億円以下と既存品の10分の1になっている。この装置はシリコン薄膜を利用する太陽電池セルの製造コストを大きく引き下げることになり、日本発の世界技術に育つかもしれない。半導体製造にも同じ技術が応用できるはず。窒素ガスの流れを制御した5層のエアカーテンで装置内部の酸素濃度を0.01PPM以下に抑える、ということは反応しない程度の酸素は入っているということだ。酸素の活性が働かなければ良いのだから、不活性の窒素を使うのは当然なのだが、窒素の消費量が大きければコストを下げることはできなかったのではないかと想像している。原料ガスを800度まで急速加熱して基板に垂直に吹き付けるので、基板を加熱する一般的な製造方法と異なりガラス基板にもシリコン薄膜を生成できる。基板を移動させながら加工するため大型の基板にも対応できるようだ。応用範囲は非常に広いだろう。当然パテントで固めている筈だが、コピーが得意な国が真似をする前に早く市場を押さえてほしいものだ。