効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

紙をベースにした太陽電池

2月14日に書いた太陽電池の効率アップについてコメントいただいたことにピッタリ重なる技術が開発された。木材パルプを原料にした「紙の太陽電池」を、大阪大学産業科学研究所の能木准教授などのグループが開発したという。この技術が実用化されれば、製造コストも従来の10万分の一に抑えることができるそうだ。厚さ1ミリ以下で折りたたむこともできる。今回開発されたものは、木材パルプの繊維を厚さ15ナノメートルと超極細にして透明にすることに成功したもので、これを基板に使い、発電素子にはシリコン系ではなく有機系のものを採用している。有機系素子であるし基板が紙だから、製造に必要なエネルギー消費量も大きく下がる。
電気の変換効率は3%で、シリコン系の10〜20%に比べると低いが、有機発電素子をガラス基板に装着したものとは同程度になっているとのこと。ただ、素子が酸素や水に触れると劣化して発電できなくなる性質なのを改善する必要があり、数年後の実用化を目指している。自由な形を作ることができるはずだから、応用対象は大きく広がるだろう。面白い技術が開発されたものだ。木質バイオマス産業とのタイアップも考えられる。