効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートメーター

日本でのスマートメーター設置の計画が一向に報道されないのが気になっていたら、世界のスマートメーターのトップメーカーの一つであるLandis-Gyrが、北米に向けてこれまでに1千万台以上を出荷したと発表した。同社は東芝が昨年買収しているから、日本のスマートメーターマーケットへの距離も小さい。ここの提供しているメーターは、標準的な無線通信方式を使って、リアルタイムの電力消費情報を送り、電力供給事業者からの料金情報を受信したりできるようになっている。情報システムは1つの基板に入っていて、メーターの前面内部に設置されており、取り替えやすくなっている。同社はアジアや欧州、中南米にも販売をしているから、その量産効果はもの凄く大きいに違いない。日本のメーターメーカーもスマートメーターを開発してはいるが、これまでは日本の電力会社向けの特別仕様だったから製造量の規模が小さく、Landis-Gyrと競争するのは極めて難しいように見える。日本メーカーもアジアに新しい販路を拡張しようとし始めているが,何せ遅すぎた。日本では政府の主導で国際入札になるはずだが、日本全体で共通の仕様になるという構想だ。そうなると価格と性能の点で海外メーカーが大きく有利な立場を占めるだろう。どこまで日本のメーカーが対抗できるか心配ではある。一方Landis-Gyrは東芝の傘下にあることから、半国内メーカーとも言えるから、海外メーカーを国家的利益の点から排除しようとしても難しいことになる可能性も高い。日本の電力市場の将来がかかるポイントとなるデバイスであるだけに、どこでも良いとも言えないことも確かだろう。