効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ランディスギア社

自分が「スマートグリッドの基本と仕組み」と題する本を出したのは2010年、ちょうど福島原発事故の1年前。その中でスマートメーターについての説明にページを割いている。それより少し前の2009年に米国のオバマ大統領が就任し、金融制度の改革と並行して打ち出したエネルギー政策として、米国の送電系統をスマートにする方針を出した。その送電系統の革新に不可欠だったのがスマートメーターだ。従来のアナログ方式での電力消費計測から、デジタル方式にして、情報通信網を介して収集できるシステムが電力網のデジタル制御の中核だった。このスマートメーターの世界最大手だったのが、スイスのランディスギア社。急速な事業拡大をしていたが、同社を東芝が買収したと聞いたときには、日本の送電系統の近代化に東芝が大きな貢献をすると思ったものだった。ところが、東芝はその後、内部の不正会計、買収したウエスティングハウスの原発プロジェクトの挫折で、今や事業の切り売りをする状態となってしまった。主力の半導体事業売却について詳細な報道がなされていたが、このほど、このランディスギアを、日立製作所が英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズと組んで買収提案したことが25日、分かった。日立はランディスが米国に持つ顧客基盤を取り込む狙いがあるとみられる。このほか、富士電機など複数の事業会社や投資ファンドも買収提案に向けて検討に入ったとも報じられている。東芝ランディスギアを十分に管理できていなかったと理解しているのだが、日本の企業との関係が継続するのは望ましいことだと思っている。