効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高効率ガスエンジン

IHIは30日、子会社の新潟原動機が2千キロワット級として世界最高水準の発電効率45.6%を実現したガスエンジン発電機を開発したと発表した。ディーゼルエンジンの効率は高いが、天然ガスを燃料としたときには高圧に圧縮して温度を上げても発火してくれないので、これまでは火種となる液体燃料を一緒に押し込んでいた。これを、ディーゼルエンジン形式でありながら、点火プラグを使うことによって天然ガスに着火させる方式にしたようだ。45.6%という発電効率は、いま家庭用に商品化された固体酸化物電解質燃料電池SOFC)の発電効率が46.5%だからほぼ同じだ。また、大規模発電所の平均発電効率はこれより低いから、発電だけで化石燃料消費を引き下げる効果もある。年間40台の販売を目指すということだが、この高効率で発電規模が大きいのだから世界に向けて販売できるだろう。迅速な立ち上げも可能となり、100%負荷到達までの時間は従来の15〜20分から6分に短縮されている。系統に電気が来ていなくてもエンジンをスタート(ブラックスタート)できる仕様もあるし、負荷追従も可能にできるようだ。多分ブラックスタートできるシステムは蓄電池が付属しているはず。ガスエンジンの出力を変えるのは迅速にできるから、これから普及する太陽や風力といった変動する再生可能エネルギーからの電力が系統に与えるマイナスの影響を低減させることも実用的に可能。販売されるユニットは、大部分が熱利用も組み込んだコージェネレーションになるだろう。そうなると総合エネルギー効率は90%近くになるケースも出るはず。エネルギー消費の高効率化と地球環境対応の両面で極めて有効なものとなることは確かだ。