効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ハイブリッド建機

ハイブリッド自動車が話題になっている。ところが最近のニュースで土木建築事業に使われる建機の動力にハイブリッドシステムが応用されるようになっていることを知るようになった。建機はディーゼルエンジン駆動が普通だと理解している。それ自体は効率がある程度高いが、瞬発的な力を必要とすることが多いために燃料効率が悪くなるし、急にエンジンの回転数を高くする必要があるときにはディーゼル特有の粒子の排出も多くなって環境汚染の原因となる。
コマツが先行し、川崎重工が追尾している。建機は急速にブームを回転させながら定位置に止めるような操作を頻繁に繰り返す。あるいは、思いものを一気に引っ張り上げたり押し出したりする。その動作の合間には止まっていることが多い。ディーゼルエンジンにとっては過重な負荷がかかり、その時のエンジン効率は大きく落ちることになる。この急速な動作の時に蓄電池や大型キャパシターで電気モーターを駆動して動作をアシストすることによって、エンジンの作動を滑らかなものとすることができる。急速な動作をするときに必要な迅速なパワーの供給には、電気モーターがエンジンより適している。エンジンに余力があるときに発電する、あるいは急速に動きを止めるためにブレーキをかけるときに発電させて電力を回収して蓄電池やキャパシターに蓄えておき、急激な動作をするときにこの電気エネルギーで電気モーターを動かす。
このシステムを備えた建機の価格は、それがないものの2倍ほどになるそうだが、全体の効率が上がることによって燃料消費量が下がって短期にこの価格差を解消できるとのこと。このようなハイブリッドシステムは、フォークリフトなどにも有効なもので、商品化も行われている。自動車用も重要だが、このような蓄電システムの利用は見えないところで広がるだろうと思う。