効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

藻を使ってディーゼルオイルを

米国海軍がソラザイム社に藻類からコマーシャルベースの規模でディーゼルオイルを製造する技術開発をさせることになったようだ。海軍のディーゼルオイルには厳しい規格があって、それに合致したものを来年に2万ガロン(約8万リットル)を納めて使用実験を行うことになっている。研究開発と同時に、オイルの製造設備も納入するというのだから、技術的にはほぼ完成していると見ても良いだろう。試料のテストはすでに済んでいて、海軍の規格に合格しているとのこと。コストの問題は残るだろうが、軍用に技術開発を行うことによって、一種の補助を行うのは米国ではよく行われる手段だ。MCFC(溶融塩燃料電池)でも、かなりのものが軍の基地用に発注されていて、それが世界唯一のメーカーとなったFuelCell Energy社の大きな収入になって事業が継続している。軍の発注がなければ、ここまで育つことはできなかっただろう。
藻類を使って燃料を作るのは、ここでのコメントで推奨されたことがある。油脂分を沢山体内に蓄積する繁殖速度の大きい藻類に太陽光をあててやり、成長したものを集めて油を絞って精製することになる。確か東京ガスが同じような研究を始めているはずだ。絞りかすはおそらくメタン発酵させてガスエンジンで発電もできるはず。透明な大型ガラス筒を林立させるのだろうか。そこへ空気でもよいが、炭酸ガス成分の多いガスを吹き込んでやれば、効率良く油脂が製造されるだろう。その炭酸ガスをどこからもってくるかによって、純然たる再生可能エネルギーになるか、部分的なものにとどまるかが決まる。しかし、光エネルギーを吸収してできた油脂だから、ディーゼルエンジンからの排ガスに含まれる二酸化炭素の比率は、従来の燃料に比べて大きく下がることになるのは確かだ。藻類の研究は日本も進んでいるから、同じような研究が推進されるのを期待したい。