効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

小型コージェネの売電

一般家庭にある太陽光発電燃料電池を含めたコージェネなど、50キロワット未満の発電設備からの電力を、PPS(特定規模電気事業)が購入できるように系統を開放することが発表された。託送料は払わなくてはならないが、10電力会社で一斉に7月1日から系統が開放されるという。これによってPPSが小型自家用発電からの電力を買うとすれば、現在設置済みのものの自家消費分を買うしかない。というのはこれまで、系統に余剰電力を流すことは許されていなかったからで、これを余剰電力を流せるようにするには、発電設備の制御自体を変更しなければならない。そんなに簡単な話ではないしコストもかかる。自宅で動いている固体酸化物燃料電池700ワット規模でも、自家消費電力がこれを超えるのは、電子レンジを使ったときくらいで、普段は4〜500ワット程度の発電をするだけだ。消費電力が発電能力以下であれば、余裕があっても能力一杯発電しないように制御されているのは、電力会社が逆流を許さなかったからだ。どのような形でPPSが家庭からの電力を購入するのか、そのシステムをもう少し知りたいものだ。ともかく、これからも続く電力供給能力不足に対応するために、電力会社はこれまでの強硬な姿勢を大きく変えなくてはならなくなったということだ。小型コージェネが余剰電力を系統に逆流しても良いとすれば、小型の発電機メーカーにとっては新しい市場ができたことになる。系統が停電してもコージェネが稼動を続けられるようになったことも合わせると、日本の電力市場がやっと世界の流れに追いつくようになったと言えるだろう。