効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力供給に関する規制緩和

この冬には全国的に見た電力供給能力は3%の余裕があるというが、この数字はかなり厳しい。北海道電力では、発電設備にトラブルがあると不足するリスクがあると今日の夕刊に報じられている。このような状況に多少でも緩和効果のある規制緩和経産省から行われた。
自家発電を持つ事業者は、本体への供給だけでなく別需要家に電力を供給することは「特定供給」としてできるものの、これまでは他の需要へは100%の供給を自営線で行うという条件でなければ認可を受けることができなかったのを、50%以上であれば認可が出るようになったというものだ。自営線とは何かよく分からなかったのでネットで調べてみたが、電力会社の配電線とは別に設置された配線ではなく、一本の配電線を分け合って電力会社からの電気を受け取っているシステムのことのようだ。
100%の供給を自家発から行うというのは、電力会社から見ればそのユーザーの需要がゼロになるのだから、供給に制約がなければどうしてそれが条件になるのか最初分からなかった。だが、このような供給はコージェネでよく行われそうで、熱需要に対応して発電するようになる。その場合、100%供給でなければならないとすると,熱需要と発電とのバランスがとれず、採算性が大きく下がることになると気付いた。電力会社はこの自営線を経由した電力供給を否定はしないが、採算性がないものにすることでこのような設備計画が成り立たないように経産省に働きかけていたのだ。これが50%で良いとすると、熱需要が多い工場が自家発設備をコージェネで設置し、隣接するビルに余剰電力を供給するのを50%以上であれば可能になり、熱に応じて発電できることで採算性が上がるはずだ。いま始まっているコージェネ設置促進策の一環だろう。だが、50%以上でなければならないというのもまた見直してほしいと思う。余ったときに供給することもありにする、という方向に行くべきだろう。電力会社の全体需要を下げることになり、供給逼迫性が下がるのだから。