効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

卸電力取引市場の拡大

これまで、千キロワット未満の発電設備からの電力を卸電力取引市場に売り出すことはできなかった。これがこの18日から千キロワット未満の小規模電力や不整形の「出なり電力」を売電することができる「分散型・グリーン売電市場」がスタートした。市場創設の発表(6月5日)から実際の開設まで時間が短かったことが影響して、取引初日には売り注文はなかったようだ。新市場で取引が想定されるのは、自家発電設置事業者の余剰電力や、太陽光など変動する再生可能エネルギー電源からの電力など。とくに太陽光の電力は7月に始まる再生可能エネルギー電力全量買取制度とも相まって買い取り側からしても「調達先としての魅力はある」と新電力(特定規模電気事業者)の関係者は指摘しているようだ。小規模発電設備からの電力を買い取ると、従来の発電設備の発電量を減らすことができるために、そのコストを引いた価格が実際の買取をした電力会社の負担となる。再生可能エネルギー電力全量買取制度が開始されると、太陽光発電の場合、1キロワット時42円での買い取りが義務づけられるが、実質コストは7円程度になりそうで、現時点のスポット市場価格より割安となるという。この新しい取引市場が今後どれほど拡大するか分からないが、長期的に見れば発電能力増強効果があるだけに興味があるところだ。