効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

積水ハウスとエネファーム

積水ハウスが発表しているが、家庭用燃料電池エネファームを同社の新築戸建て住宅に設置した累積数がこの8月末時点で5万台を越えたという。これは日本全体の累積数が25万台だから、その5分の一で、一社の設置数としてはトップを行くものだ。700ワット(少し前まではパナソニックが750ワットのものを出していたが、現在は全てが700ワットになっている)という発電規模は、戸建て住宅の場合でもピーク時を除くと、余裕があるものだ。また、東日本大震災の後、東京電力管内で計画停電が起きたときに、配電系統からの電気がなくなると、エネファームも当時の仕様では停止することになっていたが、ユーザーからの、停電の時こそ動いて欲しいという要望が大きくなり、停電時には独立運転できるようになった。また、固定価格買取制度の対象となる10キロワット未満の屋根設置太陽光発電と組み合わせて、燃料電池が発電して太陽光発電が発電した電力を系統に売る(逆潮)量を増やせるようにしたことも、戸建て住宅にエネファームが取り付けられる動機付けにもなっている。エネファームは小型のコージェネレーション(熱電併給)だから、発電効率は50%前後だが、熱を回収して給湯や暖房に利用することによって、総合効率は80%を超える。これによって戸建て住宅からのCO2排出量も抑制できることになり、地球温暖化防止にも貢献している。同社の実績は、再エネの利用促進や地球温暖化を抑制する企業を評価するようになった社会からも注目されるだろう。これが新築だけでなく、同社の既築住宅へのエネファーム設置事業の拡大にもなるはずだ。逆に言えば、価格も下がり、国の補助金もつくエネファームが戸建てに設置されているのが当たり前の時代に入るかもしれない。10年以上前に、新しく開発されたエネファームの実証試験を自宅で実施させて貰ったものとしても、嬉しいニュースだ。積水ハウスエネファーム設置累積推移は下記から見ることができる。
https://www.sekisuihouse.co.jp/sustainable/netzero/objective1_6/index.html