効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力市場の自由化

ある調査に拠れば、英国では毎週8万人がエネルギーの供給事業者を変更しているという。このエネルギーの中には天然ガスも含まれているかも知れないが、ほとんどが電力だろうと思う。英国の電力小売市場が自由化されたのは1990年だから長い経験の蓄積がある。この分野だけを考えても、スマートメーターの導入には大きなメリットがあるだろう。このような自由化が日本で本格化するにはまだ時間がかかるが、その方向への動きが経産省で見られる。経済産業省は分散型電源の本格活用を目指し、今夏にも日本卸電力取引所(JEPX)に小型の自家発や、コージェネレーションコージェネ)向けの新市場を創設する検討に入ったからだ。欧米に見られるものとは大きく異なって、小型分散電源が電力供給事業者となる。単独でなるのか、共同で販売するのか、取りまとめ企業がでてくるのか様々な形態が考えられるが、小口でも取引しやすい仕組みにするということだから、百花繚乱になるかもしれない。総合エネルギー調査会では、電源構成に占める自家発・コジェネレーション比率を大きく高める方向を議論しており、売電価格の市場動向次第だが、コージェネが今後大きく伸びることになるだろう。そこで問題は、これが殆ど都市ガスを利用するものとなるだろうから、その輸送能力を増強することが都市ガス事業者に求められる。同時に、コージェネの経済性は副産物の熱をどれほど使えるかによって左右されるから、その熱市場が拡大するような促進策も必要になってくる。コージェネ比率の拡大も熱利用市場次第とも言える。これからどのような展開がみられるだろうか。