効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力市場の自由化が具体化してきた

伊藤忠エネクスは2016年4月から北海道内の家庭向け電力小売事業に参入すると報じられた。それによると、当面はLPガスの利用者に北海道電力より5%以上割安な価格で販売するということだが、LPガス需要家という具体的な市場を把握しているようだ。小売りするということは、北海道電力以外の所に、家庭用とはいえとりまとめればかなりの需要になる電力の電源はどうするのかと思ったら、王子製紙が持つ自家水力発電の容量を中心に構想されているらしい。家庭用への参入後、当面は朝夕に利用が多い家庭向けと、昼間の利用が多い商業施設など向けを半々程度にしたい方針らしいが、供給力を需要の異なる市場を合わせることで安定化させるのだろう。北海道ガスコープさっぽろなどにも電力を卸供給するということだが、北海道ガスLNGの受け入れを始めているはずだから、発電設備を新設することも考えられる。コープさっぽろの参画は、全国で展開されようとしているコープ(生活協同組合)の動きとしても面白い。コープが標榜する再生可能エネルギーによる電力だけでは安定的な電力小売はできないからだ。これからの電力市場自由化に向けて電源の確保競争が更に熾烈化するだろう。