効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

吉野の木

大阪であった再生可能エネルギーオール電化についてのセミナーから帰って、テレビのスイッチを入れたら、たまたま奈良の地域テレビ番組で吉野産の材木について紹介するプログラムがあった。欧州に比べて日本のバイオマス利用度が非常に小さいという話を聞いてきたところだから、興味を惹かれて見ていたが、エネルギー利用ではなく吉野産の木材を利用した新商品の紹介だった。吉野杉や檜は木目が細かく揃っているために、割れにくいそうだが、その特性も組み込んでスマートフォンのケースを作ったというもの。予想外に売れているという。作成過程を見せてくれたが、大量生産方式ではなく、最後の仕上げなどは全部手作業になるから単価はプラスチック製に比較すると高くなるだろう。だが、自然木を使っているから、形状は同じでも模様は全部異なったものができる。スマートフォンの形と厚みに合わせたケースを削りだし、それにごく薄い裏板を張り付けたものだ。プラスチック製に比べて手で持った感じが温かく、しかも吉野材の香りもするという。香りがあるということは表面塗装をしていないのかと思ったが、それでは手垢が付いてしまう。おそらく手で触れる部分には薄く透明塗料をぬって、スマートフォンをはめ込むところは自然のままにしてあるのだろう。面白いものを開発したものだ。木材だからゴミになってもゼロエミッションだということも気に入った。自分の携帯は裸のままになっているが、一度これを試してみよう。建材に使うほどの量ははけないだろうが、付加価値としては案外大きい可能性もある。吉野というブランドを使えるこのような商品開発がもっとできれば良いなと感じながら、この商品を思いついた地元の製材業者の努力を評価している。