効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

核燃料サイクル

午前遅めから新大阪まで足を延ばした。春一番のような風が吹いていた。12時からという珍しい開始時刻で、基本問題委員会自主的分科会(特別編)〜核燃料サイクルに関するワークショップに参加。エネルギー基本問題委員会が公式ではなく任意の形で開いたもの。核物理学者で、プリンストン大学公共・国際問題教授、「国際核分裂性物質パネル(IPFM)」共同議長をつとめているフランク・フォンヒッペル氏が話をしてくれたのだが、使用済み核燃料の意味について、これまで自分が知らなかったことを幾つも学ぶ非常に有益な会合だった。青森県六ヶ所村で建設中の再処理工場が、全く動いていないが、世界でも再処理を諦める国が増えている中、日本がいつできるか分からない再処理工場の完成を前提にした原子力発電計画、使用済み核燃料の処理計画が推進されているということ。再処理工場がたとえ完成しても、排出される使用済み燃料の全量処理はできないし、コストはかかる上に、処理された後に想定されている高速増殖炉で使用するのは、文珠が動く見込みはないし、高速増殖炉を使わなくてはならない前提条件が大きく変わっていること。文珠はナトリウム漏れで火災を起こしたのだが、このような火災はロシアなどで運転されている炉では何度も起きていて、日本だけの問題ではないこと。再処理をしなくても、ある程度の長期保存を想定すれば、安全度の高い方法で貯蔵する方法があり、その方が世界の主流になりそうなこと。その貯蔵法は乾式貯蔵で、すでに福島第1原発東海村に設備ができていること。いまある原発の構内にこれを設置することに同意する自治体に補助金を出せば、原発が停止したために収入がなくなった自治体を救済することもできるということ。原子力発電に必要な核燃料は、すでに余っていて、お金をかけて新たな燃料になるプルトニウムを取り出す必然性が失われていることなどだ。今日の話をそのまま鵜呑みにするのではなく、もう少し事実を勉強し直そうと思った次第。