効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

使用済み核燃料の処理に新展開

使用済み核燃料は、原発敷地内に設置されたプールに保管し、熱によって核燃料棒が破壊しないようにしている。これは青森県六ヶ所村に送り、そこの再処理工場でプルトニウムを取り出して高速増殖炉もんじゅで発電に使うことが想定されていたが、もんじゅは運転開始後にナトリウム溶液を使った冷却系統にトラブルが発生して回復できず、廃炉ということになっている。ということは核燃料サイクルが成立しないことになる。六ヶ所村の再処理工場もトラブルつづきでほとんど稼働していない。それは処理を待つ使用済み核燃料が原発敷地内のプールに積み上がることを意味する。使用が済んで取り出された核燃料はまだ高温で、プールで冷却する必要があるが、ある時間が経過するとプールから取り出して乾式貯蔵をすることができる。いまの建前では、乾式貯蔵は想定されておらず、地下深くに埋めることになっているが、その場所もまだ特定されていない。プールが満杯になる原発も出そうになり、対応が迫られていた。青森県は、なし崩し的に保管場所になるのは拒絶しているから、どこかに中間貯蔵所を作らなければならない。それもまだ決まっていない。ふん詰まり状況が続いていたのだが、このほど、関西電力高浜原発が立地する福井県高浜町の野瀬豊町長が27日までに共同通信のインタビューに応じ、同原発で増え続ける使用済み核燃料の扱いについて、現在保管している原発内のプールから取り出し、専用の金属容器に入れて保管する「乾式貯蔵」を原発敷地内で進めることも選択肢との認識を示したことによって、これから新しい展開が生まれることになった。だが、地元の町長が乾式貯蔵を言い出したということには奇妙な感じがある。何かの政治的取引があったのかもしれない。