効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

DESERTECと日本

ここで何度か書いているが、アフリカ北部の砂漠で太陽熱を使って発電した電力をヨーロッパに高圧直流で送る壮大な計画を推進しているDESERTEC基金が、その構想をアジアにも拡大しようとしている。ここが最近、ソフトバンク孫社長が中心で設立された日本自然エネルギー財団と協定を結ぶことになったようだ。その目的は、アジアに高圧直流送電幹線を設置して、日本の高圧直流送電幹線と結ぼうというもの。もともと日本自然エネルギー財団もこのような構想を発表していたが、中国を中心とする諸国の政治状況を眺めると、実現にはほど遠いという感じだった。しかし、今回の協定によって、少しは難しさも緩和される方向に向かうかなと思う。しかし、この実現に向けて日本側で着手するべきなのは、日本列島全体を結ぶ高圧直流幹線の設置を実現することだ。これだけでも10年、20年の期間を要するプロジェクトになるが、それを促進する日本のエネルギー政策も準備されなくてはならない。純民間ベースで実現が可能なのかが課題になるが、日本のエネルギー安全保障と、自然エネルギー導入の大幅拡大の必然性から見て、官民の共同作業になるだろう。この受け皿があれば、アジア大陸の直流幹線との接続もやりやすくなるし、幹線建設に参画することも構想できる。権益を確保することもあるだろ。そして、日本からの投資で発電所を建設して電力を日本に送ることも想定できる。勿論他国、特に政治体制が異なり対立もある国からの電力に依存するのにはリスクがあることは確かだ。しかし現実にロシアとヨーロッパの間には天然ガス幹線が結ばれて輸出入が行われている。ここにも問題は出ているが、何とか課題を乗り越えている。お互いにメリットがあるからだ。原発に代わる長期プロジェクトとして日本で早期に検討が開始されることを期待している。