効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

DESERTECプロジェクト

北アフリカサハラ砂漠などで太陽熱発電を行い、その電力をヨーロッパに送るというのがDESERTEC(デザーテク)プロジェクトのコンセプトだ。この構想が出されたとき、ほとんどのエネルギー関係者は、夢に終わると考えていたはずだ。それが、サハラ砂漠チュニジア区域で、2016年にも原発2基分に相当する2百万キロワットの集光型太陽熱発電としてが実現するかもしれない。デザーテク基金からの情報だから多少割引しないといけないかも知れないが、夢が意外に早く現実化の方向に向かっている。この発電設備からヨーロッパへは高圧直流送電幹線で送られるのだが、その計画についてはよく分からない。しかし、海底に敷設される高圧直流送電幹線は、スーパーグリッド計画としてヨーロッパでは具体的なプロジェクトが走り出している。その一環で考えればかなり実現性の高いものかもしれない。このプロジェクトはTuNurと名付けられている。
ここの集光型太陽熱発電は、無数の鏡が移動する太陽を追尾して、常に一定の場所に集光できるようにして高温を発生し、それで蒸気発電を行うと同時に、溶融塩などに高温を貯めておいて、太陽が沈んだ夜にも発電するものだ。だから、太陽光や風力のように出力が不規則に変動するのではなく、発電をほぼ完全に制御できる。砂漠であれば常に太陽エネルギーが豊富に得られるから、脱原発を決めたドイツを始めとするヨーロッパ各国にとって魅力が高まるだろう。入ってきた情報に拠れば、反射鏡は現地生産することでチュニジア経済に大きく貢献するそうだ。アフリカとは歴史的に密接な関係があるヨーロッパは、多少コストが高くてもその電力の購入を考えても不思議ではない。チュニジアで具体的な設備計画が進展すれば、北アフリカ全体に構想が拡がるのは確実となる。今後どのように計画が推進されるか目が離せなくなってきた。