効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■複電圧車

近畿日本鉄道近鉄)は5月下旬、統合型リゾート(IR)の計画される夢洲大阪市)への直通に向け、架空線電化区間近鉄各線から第3軌条区間けいはんな線・大阪メトロ中央線の直通に備えた可動式集電装置の試作品が完成し、試験に着手すると発表したと報じられている。ということは、屋根にあるパンタグラフと、車輪近くから横に集電端子を突き出す方式を共存する車両を作るということだろうか。数台の車両が繋がっているものでも、全車両に2種類の集電装置を付ける必要はないかもしれないが、流れる電流の大きさによっては、複数台の車両に設置しなくてはならないだろう。また、電圧も異なるから、電圧変換装置も設置しなくてはならない。これを複電圧車と言うらしい。

近鉄の場合、架空線電化区間の電圧は直流1500Vなのに対して第3軌条区間の電圧は直流750Vとなっており、直通運転をするためには2つの電圧に対応させる必要がある。現在、日本国内で運用している複電圧車は、箱根登山鉄道の車両、JR東日本の新幹線E3系E6系E926形East i(電気・軌道総合試験車)、在来線ではE001形「TRAIN SUITE 四季島」、JR貨物EH800形電気機関車がある。

しかし、電車に給電されている電気の電圧がこれほど多様だとは知らなかった。事例として紹介されているのは、箱根登山鉄道。もともと小田原―強羅間の全区間が直流600V電化だった。しかし1950年に小田急の車両が小田原―箱根湯本間に直通するようになった際に、この区間を直流1500Vに昇圧。これに合わせて箱根登山鉄道の車両を複電圧車に改造した。なお、600V区間は1993年に750Vに昇圧した。

これは直流だが、交流を使っているケースもあるようだ。この場合には、交直変換をする必要があるのだろう。交流モーター、直流モーター、いずれにしろ電圧は同じだから、異なった電圧の区間を走る列車の場合、変換装置が必要になる。これは高容量の変換用半導体が開発されたから、問題はないかもしれないが、重複によるコスト高は避けられないだろう。

JR東日本JR貨物の複電圧車はすべて交流2万Vと交流2万5000Vに対応した車両だ。これにも、変圧器で電圧を変えているケースと、交流2万5000V仕様の車両がそのまま2万Vに乗り入れるケースもあるらしい。少し速度が落ちるだけで済むからのようだ。

 

 

 

 

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