効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

パワー半導体

東京工業大学産業技術総合研究所のチームは、変電所やエコカー鉄道車両などの電力損失を50分の1以下に減らす新型の半導体素子を開発した。高効率の次世代パワー半導体の一つで、人工ダイヤモンドが素材となっている。2020年の実用化を目指す。この情報を米国の専門家に伝えたら、8年で実用化とは凄いという返事。米国では20年ほどかかると考えられていたそうだ。パワー半導体は電気を交直変換したり、電圧や周波数を変えたりするのに使われる。次世代のパワー半導体は炭化ケイ素や窒化ガリウムといった素材のものがこれまで使われていたが、研究チームは人工合成したダイヤを使うと、最先端の材料よりもさらに10倍以上の高電圧に耐え、動作時に熱で失う電力が大きく減ることを突き止めたという。このダイヤモンドはメタンから作るということだ。メタンから炭素を作って、高温高圧をかけて結晶にするのだろう。現在普及するシリコン製のパワー半導体をすべてダイヤ製に替えると、少なくとも100万キロワット規模の原子力発電所8基分の節電効果が見込めるとの試算もされている。計算上の話ではあるが、この価格が下がれば、送配電設備に大きな変革が起きる可能性がある。熱の伝わりやすさはシリコンの10倍以上。冷やすための装置がいらず、エコカーなどに組み込んでも場所を取らないそうだ。パワー半導体の分野で日本が技術開発をリードできるかもしれないというのは嬉しいことだ。