効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関東地方のガス田

昨日2件のコメントをいただいた。最初にいただいたのは、その日の内容とは関係がないのだが、次のようなものだ。まずそれに応えてみたい。
『こんにちは。エントリーと関係なくて申し訳ないのですが山田高明さんという方がアゴラに「石油文明からメタン文明へ」というシリーズを書かれています。最新記事はhttp://agora-web.jp/archives/1433225.html
私はたいへん面白い記事と思うのですが(特に東京のガス田の利用やガスの固定買取制度の提案等)ガスの専門家からみてどのような感想をもたれるか(現実性や経済性等)、お聞きしたいところです。もしもコメントいただければ幸いです。』
それほどの専門家ではないのですが、山田氏の意見には頭をかしげるところがある。確かに関東平野にはガス田(水溶性のガス)があるのだが、既にガスの採取が千葉県で行われていて、国内産としては筆頭の産出量を見せている。そして、既に都市ガスとして供給されている。新潟のガス田と同じだろう。このガス田が関東平野一帯に伸びていることは産総研の調査でも示され、埋蔵量も国内としてはもっとも大きい。だが、既に利用されているのだから、開発余地が他にもあれば、石油会社を初めとした事業者が掘削をしているはずだと思う。それをしないのは採算性がないからだろう。特に人口密集地である関東地区で大規模掘削をして収集精製設備を建設するのはまず許可が下りないだろう。
温泉開発で随伴するガスがあることは知ってはいるが、この量は拠点当たりで見れば大きくはないはず。そして、確かボイラー燃料として利用されていると理解している。この場合には熱量などの調整はほとんど必要ない。そのまま放散するのは地球温暖化ガスを放出することになるから、これこそ許されないだろう。もし利用が難しければ、少なくとも燃焼されてから捨てられているはず。原油随伴ガスと同じだ。これを都市ガスに利用するのは、メタン成分が多いとしても都市ガス同等の性状に調整するのに小さくはないコストがかかる。電気の系統連系売電とは事情が違う。記事にあるように、プロパンやブタンがどうしても必要になるからだ。都市ガスに使えるほどの量を確保する井戸を掘るコストは分からないが、全国に拡がるガス田ではないから固定価格買取にするのは極めて難しいし、その意味もないように思う。下水処理場で発生するメタンを都市ガスに利用するのはコスト高だがすでに実施されている。だが、近くに都市ガスのパイプがなければ利用できないので、その場合には熱利用か、発電に使われている。都心部にこれと同程度の量を採掘する井戸を掘るのは、その設備建設コストからして無理ではないかと思う。当方の理解が浅いかも知れないが。