効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

固定価格買取制度について昨日の続き

英国のFIT(フィードインタリフ:固定価格買取制度)が改訂された内容を紹介したが、数字を移し替えるのに時間がかかり、それに関する考え方を述べる余裕がなかった。日本でいろいろ論じられているものに、妙なものも多いので、この数字を見てコメントしたい。昨年に自然エネルギーの導入に固定価格買取制度を導入するのが検討されたとき、電力会社サイドから主張されたのは、一律同じキロワット時単価にするというものだった。その理由として、この単価を実現できるように自然エネルギー源間で競争を行わせるというものだったと理解している。英国の数値で見るように、自然エネルギーを使った発電の発電コストが大きく異なっていることが分かる。これほど大きな差があるものを一律の単価にしようというのは、日本にRPS(発電量に占める自然エネルギーの比率を一定数電力会社に義務づける)が導入されたときに、その数値が電力会社に大甘で、一年で達成可能な数字だった。いわば電力会社とすれば、ほとんど何もしなくてもよいが、世界に向かってはRPSに向かって努力していますと、よい格好ができる制度になっていたのだ。FIT価格を単一にしようとしたのも多分これと同じ発想だったのだと思う。だが、現実に自然エネルギー利用を促進しようと思ったら、補助金をいつまでも使わなくても個々のプロジェクトが長期に亘って少なくとも損をしない価格でないと、特に財政が逼迫している時代には事業の持続性を維持することはできない。風力発電への補助金が一昨年になくなって後は、新設が殆どなくなったことで証明されている。英国の数字で分かるもう一つのことは、年を追ってkW当たりの建設コストが太陽光発電のように急速に低下しているものは、それに遅れないように単価をさげなければならないということだ。ドイツではこの引き下げ幅が実際の設備コストの急落に追いつかなかったために、建設は進んだがそのために必要な予算が不足したのだった。スペインでも同じ現象が起きている。見直しは半年ベースで行うことを可能にしなくてはなるまい。今日はこれくらいにしておこう。固定化買う買取制度にすると電気代が大幅に増えるという脅しについても考えてみたい。