効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国の小型コージェネ向け固定価格買い取り制度

オーストラリアの固体酸化物電解質燃料電池メーカーから入った情報に拠れば、英国は燃料電池だけでなく、ローエミッションの小型コージェネなどが発電する電力に固定価格買取制度(フィードインタリフ:FIT)を適用し、具体的な単価も定めたようだ。これは4月1日から始まることになっている。このような発電機からの電力で、設置場所で消費しきれない余剰分は系統に高い値段で買いとって貰える。電力小売り事業者は、このような小型発電設備からの総発電量に対してキロワット時あたり10ペンスを支払い、それに加えて、余剰分については5ペンスを上乗せすることになっているという。日本の家庭用太陽光発電に適用されている固定価格買取制度では、余剰分だけを通常の家庭用電力料金の2倍で売ることができる。自家消費分は電力会社から買う電気が少なくなり電気代が安くなるというメリットしかないのに比べると、かなりの優遇になるのだろうか。この情報では家庭用の電力単価が書いてないので、10ペンスがそれより高いのかどうかがよく分からない。英国の家庭用電力供給は自由化されていて、供給事業者によって単価が違うはずだから、多分全体的に見て若干は高いのだろう。英国のこのFITは10年間適用されることになっているそうだ。そして最初の3万台に適用した後、1万2千台になったときに見直しをすることになっている。
このようなFITが日本のエネファームなどの燃料電池やエコウイルに適用される時代が来るだろうか。日本では余剰電力を系統に流すことすら許されていないのだから、その辺りから見直さないと効率の高いエネルギーシステムを普及させる推進力が生まれないだろう。民主党政権が全ての再生可能エネルギーにFITを適用するという方針も、化石燃料を使う小型コージェネには無関係だ。残念なことだ。