効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力会社の広告費

電力会社の広告費が、家庭向け電気料金算定の時に原価に算入されないことになりそうだ。寄付金と並んで、電気の安定供給に不必要な費用とみなして計算に入れず、料金の抑制を狙ったものだという。電気料金は、原価に電力会社の利潤を加えた額を算出し、ここから他の電力会社に販売する電力料などを差し引いた総原価が、料金収入と一致するように予測計算する「総括原価方式」で体系が決められる。報道によると4月にも電気料金制度を見直して、日本の電力会社全部に義務づけるという。一般的な方向としては分からないでもない。しかし、これから節電なり、ピーク需要の抑制を広く理解して貰い、実効があるようにすることが極めて重要になる段階で、この方向には疑問を感じる。
米国の電力会社の場合、規制当局が需要抑制を促進する広報を義務づけることが多く、原価算定に組み込まれていると理解している。これまで日本の電力会社の広告は売り上げ増を目指したものが多かったが、これからは節電を納得して貰えるような広告をしていかなければならないだろう。節電広告は広告費ではなく他の経理項目に入れるのならまだしも、報道をみるだけでは多分広告費と見なされるだろう。節電関連は売り上げの何パーセントをかけなければならないといった義務づけの方向で考えるべきだとも思う。また、節電広報による売り上げ減を何かの形で補填するような制度も検討するべきだ。そうでなければ、供給不安が少しでもなくなると、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまって、節電に向けた電力会社の広報はおざなりになるかも知れないからだ。