災害が発生した場合の非常時電源として、落ち葉や枯れ枝を燃料にした発電設備を大規模公園に設置することを目標として国交省が実証試験を始めるそうだ。まず2012年度中に国営公園で試験を始め、全国に広げるという。設置するのは落ち葉や枯れ枝、雑草を蒸してガスを発生させ、タービンを回し発電する設備で、均質ではない燃料に対しても発電効率の高い設備を目指す。企業と協力、1年ほどかけて試験し実用化する。雑草や落ち葉を燃料にして植物ごみの量を減らす狙いもある。国交省によると、全国で年間200万トン程度発生している公園や街路樹の植物ごみのうち、肥料などに利用されるのはわずかで大半は焼却処分されているというから、意味がないわけではない。発電した電気は普段は公園内の照明などに使い、災害時に停電した場合は被災者への救援護活動に使うとのこと。
バイオマスの利用だし、非常用という位置づけだから構わないと言えないことはないが、草木をガス化するのも技術として成熟していないだろうし、そのガスでタービンを回して高効率発電をさせるというのが本当にうまくできるのだろうか。落ち葉や枯葉を集めても均質なものにはならない。どいうことはガス化炉の操業条件が場所によって大きく異なることになる。エンジンではなくタービンを使うのは、発生するガスの品質が多少変動しても、また、精製の程度が高くなくても柔軟に使えることは確かだろう。刈り取った草木を集めてしばらく保管するスペースもかなり大きく必要となるはず。本当に実用化ができれば面白いが、そんなに簡単なことではないように思える。