効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

天然ガス田の開発

今日の日経新聞夕刊にでていたものだが、いまの電力市場を考えると大きなステップになるなと感じさせられた。『国際石油開発帝石とフランスのエネルギー大手トタルは13日、オーストラリア北部沖で計画していた大型ガス田「イクシス」の開発プロジェクトに着手することで最終合意したと発表した。日本企業が主導する初の大型液化天然ガス(LNG)事業で総事業費は340億ドル(約2兆6000億円)。2016年末の生産開始をめざす。イラン情勢が緊迫し中東からのエネルギー供給に不安が広がる中、LNG安定調達につながる「日の丸ガス田」が正式に動き出す。』という記事だ。
定期検査が終了した原発が全部稼動するというのは考えられないし、この夏の需要期に向けて数基ほどの稼動再開はあるかもしれないものの、将来を見据えるとどうしてもLNGの輸入量を確保しなければ日本の電力供給は安定的なものにはならないと心配していたが、豪州という政治的に安定した国から2017年から日本向けに出荷されるということだから、少しは安心できるものになるかもしれない。いま、ホルムズ海峡を通る輸送船やLNGタンカーの通行がイランと米国の軋轢で難しくなりそうな状況が差し迫っていることに対応はできないが、日本国内にLNGは石油のように備蓄されていないために長期的な供給を確保することが極めて重要だということをあらためて実感していただけに、日本が主導するプロジェクトが成立したことは喜ばしい。天然ガスを使ったコンバインドサイクル火力発電が今後原発の減少分を補うことになることは確かであるからだ。今の天然ガス開発状況を見ると価格の急激な高騰はないかもしれないが、このようなプロジェクトが日本の手で推進されなければ、安穏とは言えないだろう。