効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カナダが日本にLNG輸出を構想

米国、カナダ、オーストラリアなどで新しい技術による天然ガス採掘で得られるシェールガスの産出量が増加しています。大量・高圧の水を使うので、環境問題が起こる可能性は否定できませんが、燃焼時のCO2排出量が化石燃料の中でもっとも少ないので、今後の供給量に多少とも不安がなくなったのは、LNGを全量海外から調達している日本にとって有り難いことです。その新しい天然ガス資源を得た国でカナダが日本へLNGを輸出することを構想しているとのことです。カナダはこれまでも米国に大量の天然ガスをパイプラインで輸出していました。ロシアが欧州に輸出しているのとよく似ています。ただ、米国にも大量のシェールガスがありますので、カナダとして新しい市場として日本を考えたのでしょう。これは日本にとってLNGの新しい供給国、とくに政治的に安定しているところであるのは大きな魅力です。太平洋を挟んでLNG市場の競争が始まり、長期的に価格が下がってくれれば申し分ないのですが、どうなるでしょうか。いま日本にはロシアからもLNGが来ています。カナダの出現はロシアの日本への対応が変化して、日本にとって有利な話ができないとも限りません。
カナダのLNG輸出は、韓国、中国も関心を持つはずです。このプロジェクトには日本の商社も参加しているそうですが、太平洋でLNG争奪戦が始まらないとも限りません。米国でもアジアに向けてLNGを輸出する計画が始まっていたのですが、天然ガス火力向けの需要が急速に伸びて、輸出余力がなくなったと聞いています。いずれにしろ、ここ当分原発に頼れなくなった日本は、LNG輸入以外に頼れるものはありません。現在の価格では発電コストが上がらざるを得ないのですが、長期的に見て価格高騰を防ぐ要素の一つにカナダからのものが加わってほしいと思っています。