効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ドイツのコージェネレーション

ドイツ連邦政府コージェネレーション関連の法律を改正して、設置を促進し、技術開発を加速するということだ。具体的に2020年までのコージェネレーション設備で発電される電力を、現在の15%から25%にするという目標を掲げ、推進策に年間最大7億5000万ユーロを投じることになっている。現在の15%というのも高い比率だが、25%に設定できるのも、都市部には地域熱供給が普及していて、コージェネレーションから回収された熱を有効利用できるからだ。日本も2020年までに2009年度末の450万キロワットから5割以上増加させて800万キロワットにし、2030年までに倍増させて1,100万キロワットにするという目標を掲げているが、その規模はドイツの数字からはほど遠いもの。2030年で原発11基分だから、現状から見るとさらに大きな数字の目標を設定しないといけないだろう。ドイツがコージェネに政策的支援を強化するのは、おそらくこの容量を、変動する自然エネルギーの出力を安定させる役割に利用するためもあるだろう。大容量の蓄電池も系統上に設置されて利用されるかもしれないが、それよりも発電能力を増強させながら変動抑制を実現するという構想ではないかと思う。これがなければ、これから増強計画が進展する北海での洋上風力発電の受け入れも難しくなるはず。コージェネであれば、排出するCO2も化石燃料を使う大規模発電より相対的に少なくなる。ドイツが脱原発の方向に向かうのを具体的に促進するためのエネルギー政策であることも確かだ。この前提は、すでにコージェネからの電力を高く買い取る制度が実施されているということだ。日本もここから手をつけなくてはなるまい。