効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LNG輸入の増加

原発がいますぐに全て運転を回復するなど考えられないとすれば、化石燃料、特に環境負荷が比較的少ない天然ガスを使う火力発電、あるいは、燃料電池コージェネレーションのような分散型発電の増強に力を入れなくてはならないことは自明のこととなる。問題は何度もここで書いているが、ほぼ全量がLNGとして輸入されているため、長期的に輸入量を増やさなくてはならず、それでなくても高いLNG価格の引き下げどころか、さらに高くなる可能性もある。最近具体的に米国からLNGを輸入するプロジェクトが具体的に検討され、ガス会社が数十万キロワット規模の発電所を建設する計画が発表されている。しかし、野田首相オバマ大統領と話をしたときにもはっきりしなかったように、米国が国産の天然ガス輸出を認めるかどうかは分からず、ビジネスリスクは決して低くはない。また、これまでLNGの輸出国であったインドネシアが輸入国になろうとしているというような、LNG市場の変化も具体的に迫っている。日本の戦略が必要だ。
ただ、天然ガス火力や分散型発電が増えることは、不安定な自然エネルギーからの発電出力の変動を補う効果が高くなることになり、長期的に推進すべきことだ。特に需要地に設置される分散型発電を、地域にある自然エネルギー発電と組み合わせて、相互に通信で情報交換した上で稼動させるようにすれば、系統全体としては安定性を増すことになる。太陽光発電燃料電池を組み合わせたダブル発電は、これを実証するものと考えられるため、安定化実績の情報を公開できるようにしても良いのではないか。電気ヒートポンプ給湯器、エコキュート、を変動抑制に利用しようという構想もある。だが、その制御方式がまだ確立されていない。その点で、ダブル発電、あるいはコージェネと地域の自然エネルギー発電の組み合わせは、地域限定の稼動となり現実に存在するのだから、そこへ電力を供給する系統を安定化させる効果もいま発揮させることができる。ちょっと通信制御データを集めるシステムを追加すればできるのだから、補助金の対象にしても良いくらいではないか。