効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東芝がスマートホーム事業を米国で

東芝が今日10日付けで、「米国におけるスマートホーム事業に参入するため、スマートメータと連携して家庭向けの最適なエネルギーマネジメントを行うスマートホーム関連製品、サービスを2012年末より投入します。当社のグループ会社であるランディス・ギア社(以下L+G社)と連携して電力会社の顧客に向けて販売し、2015年度に100億円の売り上げを目指します。」とプレス発表をした。昨年世界でスマートメーターのトップメーカーであるランディス・ギア社を買収した手際に感心したが、それが早くも米国事業への展開として具体化しようとしている。日本のエネルギー市場が昨年3月11日以来大きく変化したということがなければ、これほど早くは実現しなかったようにも思える。2015年度までに全米100万世帯へのスマートホーム製品の導入を目指しているそうだが、東芝単独ではおそらく無理だったろう。
米国では電力供給の安定化に向けて、スマートメータの普及と共に、デマンドレスポンス等の需要家側の最適な電力管理技術が求められ、多くのベンチャーも含めて市場が拡大しつつある。その歴史は長いが、オバマ大統領の打ち出したグリーン・ニューディルといわれる需要喚起策で一昨年あたりから急拡大している。東芝は、2012年末より、スマートメータと連携して電力の供給状況および家庭内電気機器の使用状況等の情報を取得し、電力消費の見える化や効率的なエネルギー利用のアドバイス等を提供するホームゲートウェイの「ライフデザインボックス」および「HEMSクラウドサービス」を投入するとしている。日本ではまだこのような市場は萌芽期にあって、電力事業は個々の需要の削減策に本気で取り組む具体策を出していない。もっぱら節電の依頼広報で電力需要のピーク対応をして、供給能力不足を乗り越えようとしているが、電力事業がやらなければ、電気製品メーカーやエネルギーサービス・プロバイダー、住宅メーカーなどが先に導入するかもしれない。原発の再稼働がどうなるかの影響もあることは確かだが、供給能力不足への対応は早めにやらなければ取り返しのつかない事態になることも考えられる。