効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電で水素製造

南極の昭和基地で、風力発電からの出力変動の抑制と電力貯蔵のために、水素を利用するプラントを日立が受注したそうです。なるほど南極であれば多少コストがかかっても許容できるでしょう。来年の3月まで秋田県で実証試験をします。
昭和基地ではディーゼル発電機からの電力を使っているのですが、発電用燃料は南極観測船「しらせ」で輸送されています。ところが総輸送量の半分がディーゼル発電機や車両用の燃料だということですから、この水素が貴重なエネルギー源になることは確かです。日立が開発したシステムは、発電した電力で水を電気分解して水素を発生させ、トルエンに吸着させて液体として貯蔵、必要な時に水素を分離してディーゼル発電用の軽油と混合して利用するのだそうです。貯蔵の仕方も高圧水素などではないのが興味をひきます。以前に英国リーズ大学が開発した液体空気を製造させて変動を抑制する方式をここで書いたことがありますが、それに対抗できるかもしれません。理屈では水素を製造して貯蔵するというのは言えますが、こんなに早く実用目的の水素利用が実現するとは予想していませんでした。良い実績を出して欲しいものです。