効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大規模水素エネルギー利用システムの技術開発

今日NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)から届いたニュースレターで知ったが、NEDOは海外の未利用エネルギーを利用して水素を製造・貯蔵・輸送し、日本国内で利用する大規模な水素エネルギー利用システムの技術開発プロジェクトを開始した。WE-NET(World Energy Network:水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術研究開発プロジェクト)を皮切りに、約30年間の国家プロジェクト等を経て水素エネルギー利用に向けた研究開発を推進してきたが、近年、水素社会構築に向けて海外の未利用エネルギーを用いた水素の製造、日本への輸送という水素サプライチェーン構築に向けた一体的な取り組みへの必要性が高まっている中、具体的な水素の安定的な供給システムを確立するために、世界に先駆けて、海外の未利用資源を活用した水素の製造・貯蔵・輸送、更には国内における水素エネルギーの利用までをチェーンとして構築するための技術開発を行うとともに、チェーンとしての運用技術の開発及び実証を行おうとするとのこと。さらに、燃料電池に次ぐ新たな水素需要を創出し、利用を大幅に拡大するため、水素を燃料とするガスタービンを用いた発電システムの技術開発を行う。2030年頃の水素大量利用時代を見据え、2020年には、豪州など海外から水素を輸送し、国内において水素発電等で利用するという大規模な水素利用システム技術を確立しようとしている。豪州の未利用エネルギーである褐炭を用いて水素を製造し、貯蔵・輸送・利用までが一体となった液化水素サプライチェーンの構築を目指し、まず「〔1〕褐炭ガス化技術」、「〔2〕液化水素の長距離大量輸送技術」、「〔3〕液化水素荷役技術」の研究開発を実施することになっていて、助成予定先としては、川崎重工岩谷産業電源開発千代田化工建設大林組三菱日立パワーシステムズ三菱重工業が予定されている。息の長いプロジェクトになりそうだ。