効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国の小型コージェネレーション

英国の小型コージェネレーション(エンジンや燃料電池で発電し、排熱を給湯暖房に使うので総合熱効率が高い)のメーカーや電力会社、ガス会社、LPG会社が、政府に対して現在暫定的に設定されている促進策を改定するように要望しています。英国の住宅ではほとんどガスのボイラーを使っているのですが、この要望では、適切な促進策が設定されれば、2020年までに100万戸の、2025年までには殆どのボイラーが小型コージェネに変わるとしています。いまある制度では、一応固定価格買取制度になっていて、キロワット時あたり10p(12.3円)で電力会社が買い取り、一部は政府が負担することになっているのですが、この現行制度では、3万台までが適用され、それが達成されると後どうなるか分からないようです。その不安のためと買取価格の低さで、初年度には政府予測で1,500台となっていたのが、実際には200台しか設置されなかったそうです。
そこで、このグループが政府に求めているのは、2012年4月から、買取価格を当初は少なくともキロワット時あたり15p(17.5円)、上限の3万台を制限なしにする、コージェネのコストが下がるに従い買取価格は見なおす、建物の暖房システムの規準を見なおす、ということです。促進のメリットとして効率の高さだけでなくいろいろ上げています。発電所の燃料の使用が削減される、送配電網の送電損失が下がる、風力発電太陽光発電の変動を抑制できる、電力供給のピーク負荷を下げられる、従来の大規模発電所を代替できる、等々です。この要望が政府に入れられるかどうかはすこし時間をおかないといけませんが、日本のエネルギー政策にも参考になるのではないでしょうか。ドイツはすでにコージェネレーションの買取をこれに似た形で実施していますし、米国でも多くの州で取り入れています。
来年に日本で再生可能エネルギーの固定価格買取制度が具体化されて、買取価格が決定するはずですが、その中にCO2排出削減ができるコージェネレーション再生可能エネルギーと同じようなものとして取り込むことも構想する必要があるでしょう。