効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自家発電

東電も関電も、自家発電からの電力を購入することによってこの夏のピークを乗り切ろうとしている。これまで自家発電は燃料価格が上がったために電力会社から買う電力の価格より高くつくために、停止していたところが多かった。ところが、電力会社がおそらく供給する電力よりも高く買うようになったために、揃って稼動を再開させている。あるいは、節電がうまくいかず計画停電になる可能性もあるために、新たに自家発を設置しているところもある。これが熱利用も考慮に入れたコージェネレーションであれば良いのだが、単に発電だけをするものであれば、発電効率は30数パーセントくらいしかないから、日本全体の燃料消費から見ると望ましいものではない。
いま電力会社が買うのは臨時措置としてのものだろう。しかし、もし十分な供給力が確保されたとしても、手のひらを返すように、もう買いませんとは言えないだろう。少なくとも1〜2年は買い取りを継続しなければなるまい。これをさらに継続させ、かつエネルギー消費効率を上げさせるために、総合効率が60%以上あるものについては、通常の産業用電力よりも高く買う固定価格買い取り制度をコージェネレーション設備について開始させるべきだと思う。これからは天然ガスコージェネがほとんどになるだろうが、熱利用が多い分野で熱需要に応じて発電させるようにして、高効率を維持させるような制度にする。たとえば、プールがあるスポーツ施設などで、温水ボイラーの代わりにコージェネを利用させる。そして、電力会社の供給力が不足するときには、熱需要がなくても発電させるようにする。発電電力で構内消費以上に発電したものは高い価格で電力会社が買うようにする。いま太陽光発電に適用されている余剰電力買い取りに近い施策にする。これからこのような分散電源の重要性が高まるだろうが、長期的な奨励制度を導入すべきである。
電力会社がこれを高く買っても、その電力は近辺の住宅で消費されるから少なくとも電力会社は損をしない。また、その分だけ送電コストはかからないから、全体で見ると利益が出るはず。