効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

コロラド州ボウルダ−のスマートシティ・プロジェクト

Xcel Energy社は、米国の 西部、中西部8州に電力を供給している大手の事業者で、コロラド州では天然ガスの供給も行っています。高圧送電システムも保有しています。同社が確か2008年にコロラド州ボウルダー市を米国最初のスマートシティにすると発表し、実施に移りました。非常な注目を浴びて、日本からも沢山の人が訪問し、感激して帰ってこられた報告を幾つか見ています。
ところが、昨年になって、このプロジェクトにかかったお金が当初予算の3倍になったと発表して批判、反批判が入り乱れたのです。電気料金が上がる可能性もありました。しかし、このような最初の実証はお金が予想よりかかるのはよくあることで、許容するべきだという意見も強かったのです。ところが悪いことに、この予算内容を州の公益事業委員会に予め認定して貰っていなかったために余計批判を浴びていました。州当局との話し合いの結末は分かりませんが、同社のイメージが落ちたのは確かです。しかし、スマートシティ実証はXcel Energyの手で継続されると理解していました。
ところが、つい最近、ボウルダ−市の議会がXcel社の実証試験や再生可能エネルギー導入への取り組みを批判して、僅差でしたが自前の電力事業を設立することを可決したという情報が入ってきました。市民の不満の核となるのは、Xcelが石炭火力にまだ依存していて、再生可能エネルギー導入に積極的ではないということです。ボウルダー市民は環境意識が極めて高いことで知られています。再生可能エネルギー比率を40%に、できれば50%にして欲しいと考えているのに対し、Xcel社はコロラド州が義務づける30%までしか考えていないのです。市民は、再生可能エネルギーの導入を急速に進め、その発電が不安定なのを抑えるために天然ガス火力発電を建設するつもりだそうです。
ただ、自前の電力事業(公営)実現には配電系統の買取り、連邦政府の認可など、難しい問題が多く、たとえ実現しても4〜5年先になると見られています。