効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオ燃料についてもう少し

昨日のブログで航空機用のバイオ燃料について書きましたが、それを補足することを書いてみます。米国からの資料で強調されているのが、バイオ燃料を利用するときに重要なのは、コストは勿論ですが、安定供給ができなければ安心して使えないということでした。バイオ燃料の製造販売する事業者が、必要な量の原料確保が常時できなければ、利用を拡大することは無理だということです。エアラインがバイオ燃料を定期便に使うようになったというのは、コストは別の課題だとしても、使用を止めるというわけには行きません。CO2の排出量が低い便として広報するでしょうから、利用者の信頼を失ってしまうのは確実です。
逆に、バイオ燃料の製造業者から見ると、エアラインが購入してくれることが量的に保証されていれば、資金調達にも有利でしょう。エアライン自体も、資金的な支援をする可能性は高いと思います。そうすればコスト引き下げに努力しながら、原料の調達に全力を挙げるでしょう。持ちつ持たれつの関係ができます。しかし、この資料でも、航空機用バイオ燃料のメーカーがどこまで製造量を伸ばすことができるか、疑問を投げかけています。
日本でもバイオ燃料による発電や暖房などの推進が言われていますが、コストが受容できるところまで下がっても、常に供給が安定しなければこの市場は拡大しないということです。発電などでよく事例に挙がるのは、製材所が廃材や切断の時にでる木の粉で発電するというものですが、これは自社の設備として設置しているために、供給量の予測が確実にできるということで成立しているのです。さらには、製材所の場合、バイオ燃料素材を離れたところに運ぶ必要がないということも大きな要素でしょう。奈良県に住んでいますので、吉野の森林維持のためにも木質系バイオ燃料の開発ができないかと思うのですが、流通が確かなものにならないと、作る方も、買う方も、すくんでしまうでしょうから、なかなか難しいなと感じています。