先日仕事仲間からIEEE(国際電気・電子学会)から出された記事を送って貰いました。IEEEのレポーターが日本に来て、仙台にある東北福祉大学でNTTファシリティーズ社がNEDOからの委託実証試験(2004年〜2007)が終わっても継続している品質別電力供給システムを震災後見て書いたものでした。3月11日の東北大震災で仙台は大停電となったのですが、この大学だけはいつもと変わらず明かりが灯り、付属病院の病棟などの暖房も通常通りに行われていたのを報じています。この品質別電力供給システムとは、電力品質の向上化(高品質化)対策を、ガスエンジン、燃料電池、太陽光発電、蓄電池などの分散型電源を設置したエネルギーセンターというところに集約し、様々な品質の電力を集中給電するシステムです。病院などは非常用電源が必要なように、電気の供給対応をどこでもしていますし、どの程度の瞬断が許されるかなど、電気に求められる安定度が異なります。これを品質レベル別に4段階ほどに分けて、それぞれの必要に応じた電気を供給するのです。
仙台ガスのガス供給が止まったと報道されていたので、調べてみましたら、中圧パイプは損傷を受けなかったので、エネルギーセンターのガスエンジンや燃料電池は稼動を継続できたのです。
これはいま世界で実証試験が進められているスマートシティーやスマートハウスそのものです。そして、すでに電力網から独立して電力を供給できる地域が世界に幾つかではじめています。蓄電池の価格が急速に下がっているために、住宅でも、太陽電池や燃料電池と蓄電池を組み合わせて、電力会社からの電気を使わなくても良いものが普及するでしょう。分散型発電の究極の姿と言えます。住宅や地域が、電力会社に電気を供給するというのも当たり前になるかもしれません。地震の直撃を受けた仙台にあるNTTファシリティーズの実証試験にIEEEのレポーターは感激していました。私もこのレポートを読んで、同様に感激しました。今後も実証試験を継続してほしいものです。