効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

干満差を利用する潮汐発電

韓国で新しく潮の干満を利用した発電所の運転が開始された。始華湖という人工湖がソウルから約40キロメートル南西のところの安山市にあり、ここにもうけた堰の開閉によって水流をコントロールして水力タービンを回して発電する。潮が満ちたところで堰を閉じて、干潮になったときにできる水位との差が最大になったときに水門を開けて水力発電機に水を流してやる構造だ。水力タービン発電機10基の合計出力は25万4千キロワットで、全基が運開すればフランスのランス潮力発電所の24万キロワットを抜いて世界最大となると報じられている。ランス潮力発電所は、最大潮位差が13.5メートル、平均潮位差8.5メートル。韓国の新発電所の落差も同じように大きいのだろう。一日に5時間ずつ計10時間発電する。潮の干満時間は毎日ずれるから電力需要のピーク時に放出することがいつもできるわけではないが、ある程度の調整はきくし、気候条件で不安定な出力変動はしないから、安定電源として使えることになる。ランスでもあったようだが、これまでの川の流れが変わって、一度に流れたり、滞留したりするので生態系に影響を及ぼす可能性はあるだろう。
しかし、干満を利用した発電でこれだけの量を確保できるのは魅力的だ。日本でこのような方式が適用できるところはないだろうか。小さいもので良ければ、たとえば道頓堀を堰き止めて大阪湾が干潮の時にできる落差でどれくらい発電できるか計算してみても面白いのではないか。数キロワット程度で量は大きくなくても観光名所としての役割を果たせるかもしれない。日本の河川で干満の差が大きい海岸に面するところを一度調べてみよう。漁業やそこに住む生物に悪影響を与えないよう、できれば良い影響がでるような方式を考案できないだろうか。干満は一日に2回あるから、利用方法はあるような気がする。また、日本には海峡が多く、潮流が激しいところも多いから、そこにタービンを置いて潮流を利用することも考えられる。大きな出力は得にくいが、この方が自然への影響は少なくて済むだろう。日本にとって今後の研究課題だ。