効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

沖縄県と海洋温度差発電

沖縄県は16日、海水の温度差を利用して電気をつくる海洋温度差発電の実証プラント(出力50キロワット)の本格運転を同県久米島町で始めた。電力系統につなぎ、県の施設で使う電力の一部をまかなう。2014年度末まで運転してデータを集め、出力1000キロワット級の商業プラントの開発につなげる構想である。
海洋温度差発電はセ氏25〜30度の温かい表層の海水で冷媒を蒸発させ、その蒸気でタービンを回して発電する。蒸気は水深612メートルから組み上げたセ氏8〜10度の冷たい深層水で冷やし、再び冷媒として使う。普通の火力発電の場合には、水を高温高圧蒸気にしてタービンを回すのだが、海水表層の暖かい温度で蒸発する液体を使う。温泉の原水の温度を利用する発電にも使われているオーガニックランキンサイクルの応用だ。沖縄で成功すれば応用範囲は広いだろうし、安定した出力だから扱いやすい。まだ実証試験がなされていなかったそうで、今回うまく行けば面白い。ただ、水深のあるところで冷媒を循環させて熱交換させねばならないから、ポンプも必要でコストは意外にかかるかもしれない。良いデータを出してほしいものだ。