効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

水を使わない太陽熱タービン

面白い報道にでくわした。三菱重工が水を使わなくても発電できる太陽熱タービンを開発中で、2014年頃に商用化を目指しているというもの。世界初となる太陽熱発電用高温空気タービンというものだ。出力5千キロワットと1万キロワットだというから、十分実用的だと言える。
ずっと以前から、砂漠に太陽熱を利用した発電設備がこれから拡大すると聞くたびに、水の手当をどうするのかなと思っていた。これまでの太陽熱発電は、原理的にいえば蒸気発電だから、蒸発させる前の水が必要だし、蒸気タービンを回した後には水か空気で冷やしてやって復水し再利用するのが常識で、かなりの量の水を砂漠へ運ばなくてはならない。冷やすのを空気で熱交換することも考えられるが、巨大な熱交換機が必要なので、それに電力を膨大に消費するはずだ。
太陽熱タービンになれば、空気を太陽熱で高温高圧にして吹き出す力でタービンを回すのだから、冷却も必要とならない。砂漠だから高温排気を放出しても問題はない。発電効率が30%程度で、将来的には50%も想定しているというから、信じられないほどの高効率だ。この効率は太陽エネルギーの変換効率だから、太陽光発電より遙かに高い。もしこれが商品となれば、コスト次第ではあるが飛ぶように売れるのではないか。変な冷却装置が不要となるからコスト競争力もあるだろう。空気を高温高圧にする部分に新しい技術が応用されるのだろう。これでパテントがとれれば、極めて収益性の高い技術になると思う。楽しみな技術だ。