効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

イタリアの太陽光発電

イタリアは太陽光発電の導入促進のために、設置者に有利なフィードインタリフ(固定価格買取制度)を導入して、政府の予測を上回る規模の設置が行われた。現在イタリアには720万キロワットもの太陽光発電が設置されている。この急速な導入で政府の財政に大きな課題が出てしまい、イタリア政府はこの制度をスタートして5ヶ月で大きく修正し、特に大型のものに対する制約条件を厳しくした。そのためこれからの設置量は大幅に少なくなると予測される。
また、大型設備が設置されたことから、景観の問題、農業適地などに設置されるという農林業に与える影響が大きいという問題も出てきて、大型の太陽パネルの設置は難しくなっているようだ。また、大型のものは設置地域に雇用を創出する効果が少ないことも、地域が反対する要因になっている。新しい施策がこの5月に制定されているが、地上設置の太陽光発電には厳しい制約条件がついている。また、農地への設置を難しくしている。1,000キロワット以下でなければならず、農地の10パーセント以下であり、他の設備からの離隔距離が2キロメートル以上ないといけない。景観に配慮しているのだ。一方小型のもの、特に屋根設置のものにはこれまでと同じ促進策が適用されている。現在の目標は2016年に2,300万キロワットとなっているが、これは原発導入をしない政策決定の反映でもある。
日本もイタリーが経験した景観問題、農耕地問題を念頭に置く必要があるだろう。孫さんのメガソーラープロジェクトも、農地に設置することを優先的には考えない方が良い。耕作放棄地であっても、農地は農地。それを完全に陰にしてしまうには慎重でなくてはなるまい。