効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

空き缶を利用した節電

今日の奈良新聞に効エネルギーという観点で興味ある記事が出ていた。神奈川県の食品会社が7月から、空き缶を冷凍倉庫の屋根に敷き詰めて、空調効率を高める対策を始めたというものだ。空き缶が太陽熱を倉庫内に伝わりにくくするため、屋根の表面温度は缶を敷く前と比べて約20度も低下するという。この会社では、屋根の半分に約1600本、缶の底や側面に穴をあけて並べた後、飛散防止用の網をかけている。55度あった屋根の表面温度が36度まで下がったというから、倉庫の室内温度は大きく下がるだろう。冷凍倉庫だから冷凍機の負荷は下がり、消費電力も驚くほど下がるだろう。大きな効果があったことを確認して、残りの半分にも空き缶を置くつもりだそうだ。
空き缶のコストは小さいから、設置の人手だけが課題。作業時間は8人で約4時間ということだから、この工場の人で対応できただろう。空き缶集めに近隣の人たちの協力もあったかもしれないが、この効用を知ってこの方法が広がるかもしれない。このアイデアは大手ゼネコンの鹿島が室内の暑さ軽減のために数年前から研究しているアイデアを提供したというが、素晴らしい着想だ。使用する空き缶はアルミ缶が効果的で、冷気も遮断するので、冬場の光熱費の節約も期待できる。普通なら遮熱塗料を塗ることになるのだが、外部の業者に依頼しなければならないから、かなりのコストを覚悟しなければならない。空き缶遮熱のコスト・パーフォーマンスは極めて高い。だが、鹿島としてもこれを特許にはできないだろうし、ノウハウというにしては簡単すぎる。鹿島の社会貢献と考えて賞賛するのが唯一の評価だろう。これを思いついた人は偉い。
アルミ缶なら長持ちする。穴を空けておかないと水が溜まって蚊が発生しないとも限らない。美観を損なうかもしれないが、うまく利用すれば地球温暖化を防止する良いデザインという評価もできる。技術的な難しさはないので、あちこちで手を付けて貰えたら良いなと思う。工場の屋根を十分断熱しているところは少ないから、全国的にこの方法を普及させたいものだ。