効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地熱発電

地熱発電は地球の中心のマグマの高温が地表面に上がっている部分の熱を利用して高圧蒸気を発生させて発電機を回すことで発電するのが一般。日本の保有する潜在量は米国、インドネシアに次いで多いとされる。しかし、これはあくまで潜在量であって、まだほとんど顕在化されていない。現在18地点に54万キロワットとのこと。
まず1000メートル2千メートルという地下深くまで穴を開けなければならないからそのためのコストが大きい。しかもいくら掘っても高温にぶつからなければ、それまでの投資は水の泡というリスクがある。また穴を掘る場所によっては大きな環境汚染をもたらすこともあるし、日本の場合、温泉街に近いと源泉が枯れるかもしれないというような反対もある。また、国立公園に指定されているところに可能性の高いところもあって、開発ができないという制約もある。また掘削に成功しても取り出せる熱がすぐなくなってしまうケースもあるという。さまざまに理由でこれまで日本では開発が進まなかった。ただ、この地熱発電設備技術は日本のものが高く評価されている。
最近環境省は、温暖化ガスを排出しない地熱発電の拡充に乗り出す。国立公園内の地中深くにある熱源の利用を、区域外から斜めに穴を掘るという条件付きで認めるらしい。資源探査会社などの掘削技術の開発も支援し、新ルールで2015年度の運転開始を目指す。斜めに掘る技術は火山国アイスランドで実用化された例があるそうだ。同じような斜め堀は、油田の開発でも見られる。途中まで一本の穴を、斜めに何本も掘る技術が完成したために、石油の生産量が回復したり、成功確率が上がったりしている。これと同じように考えれば、国立公園の外から斜めに熱源まで到達させることが出来るかもしれない。
地熱発電は、風力発電太陽光発電と違って、常時安定した発電をしてくれるから、電力会社にとっても受け入れやすい。ただ新設には探索も必要だから、既存のところに増設する方法として斜め掘削が使えないだろうか。